意識を少し変化させることで、難しいと思っていたテクニックもすぐに弾けるようになることもあります(^^)
今回は白鍵と黒鍵を例にとりたいと思います。
数十センチの跳躍
たったコンマ数秒の時間で、数十センチの跳躍を経て、正しい位置(鍵盤)に着地させる必要のあるテクニックはよく出てきます。
躓きやすいポイントですね。
黒鍵への跳躍が「難しい難しい」と嘆く生徒のAちゃんに「なぜ難しいと思う?」と聞いてみました。
Aちゃんの答えは「黒鍵は細いから」
では測ってみましょう♪
白鍵幅2.5センチ弱
白鍵と、
黒鍵幅1センチ強
見づらいですが、黒鍵も。
Aちゃんの言うことは正しいです(^^)
目で見てすぐ分かるほどに、白鍵に比べて黒鍵は幅が狭いですね。
一見すると黒鍵へのジャンプの方が難しいように感じます。
成功例
白鍵成功例1
ドの音を例に出しています。
黒鍵成功例1
こちらはド#です。
ここまで見てみても、白鍵の方がミスタッチの確率が低いように見えますね。
指の太さに対し、白鍵の方がまだ左右の余白に余裕があります。
ですが白鍵・黒鍵の特徴の違いとして、もう一点ポイントがあります(^^)
白鍵はほとんど隙間無く羅列し、黒鍵は"すきっ歯"のように間が空いています。
白鍵の場合
失敗1
ドとレ、両方弾いてしまっているので失敗です。
失敗2
こちらはドとシを弾いちゃっていますね。
黒鍵の場合
成功2
本来弾きたかったポイントとはだいぶズレてしまっていますが、こちらは成功です(^^)
ド#だけをピンポイントで押せています。
成功3
おかしな弾き方ですが(笑)こちらも成功です◎
ド#だけを弾けています。
これらをもっと嚙み砕いて説明すればAちゃんは理解し、すぐに弾けるようになりました。
Aちゃんがイメージしていた成功は"黒鍵成功例1のみ"だったみたいです(^^)
何百回と自主練習すれば自ずとコツを掴んで弾けるようになるのかもしれませんが、根性論の時代ではないので、先に頭で理解することで練習の効率化に繋がります(根性も必要ですよ♪)
また、仕組みを理解せず根性だけで弾けるようになった場合、本番失敗率が上がります。
ただでさえ本番という場で緊張している上に、身体中に余計な力が入ってしまっているからです(^-^;
スポーツの世界でもきっと同じことかと思います(^^)
では白鍵へのジャンプは難しいのか?
最後に白鍵へ向けての跳躍のコツをひとつ♪
慣性の法則を理解してくれる年齢ですと理解してもらうのが早いのですが、学習するのは中学生くらいでしょうか?(^-^;
小学生のレッスンでは自転車を例に出しています。
動いているものにブレーキをかけても急には止まれません。
急ブレーキをかけて、ピンポイントに狙った2.5センチ幅に着地するというのは大変な作業です。
コンマ数秒で移動する必要があるので最短距離(一直線)で狙いを定めた鍵盤に向かいたくなるところですが、この場合、弧を描くように着地させた方が安定します。
輪投げをストレートで投げるか、弧を描くように投げるか、どちらが成功率高いかと言えば断然後者です(^^)
輪投げは投げた後コントロールが利かない(ブレーキが利かない)のでピアノとは少し違いますが(^-^;
ピアノの演奏に関しても物理的な感覚を身につけると、練習効率が上がります。
お子さんは意外と物理の話が好きなようで、割と食いつきが良いですね♪
表現力
「表現力のある演奏」というのも8割方、理屈(物理的な話)で説明ができると思っています。
根性論でも無ければ、精神世界の話でもありません(笑)
言葉で説明できない2割は幼少期より音楽をたくさん聴くことで育まれます(^^)